ディズニー作品に登場する、個性豊かなヴィランズたち。
悪役でありながら、それぞれに魅力や個性があって、ついつい注目してしまいます。
そんなヴィランズ好きの私が、今回取り上げるのは映画『トイ・ストーリー』に登場するシド・フィリップス。
ウッディやバズたちを恐怖に陥れる、ちょっと不気味な少年です。
初めて観たときは、シドって本当に怖い子だな……という印象だったのですが、
改めて作品を振り返ってみると、なんだか少し違った見方もできるようになりました。
そもそも、シドは本当に悪役なのでしょうか?
まだ子供であるシドの行動や家庭環境、そしてシリーズ3作目で描かれた大人になった姿。
いろいろな角度から考えてみると、単純に悪役とは言い切れないような気もしてきます。
今回は、ヴィランズ好きの視点から、映画【トイ・ストーリー】のシドという存在について考察していきます。
記事の前半では、作品情報や登場キャラクターの紹介、ネタバレなしのあらすじを掲載しています。
後半では、物語の展開や結末にも触れながら、ネタバレありの見どころや感想を詳しく紹介していきます。
映画【トイ・ストーリー】の作品情報
はじめに、映画【トイ・ストーリー】の映画情報・キャラクターについてまとめました。
作品情報
上映年月や監督などの情報は下記になります。
| 映画公開日 | アメリカ:1995年11月22日 日本:1996年3月23日 |
| 監督 | ジョン・ラセター |
| 制作 | ラルフ・グッゲンハイム、ボニー・アーノルド |
| 制作総指揮 | エドウィン・キャットマル、スティーブ・ジョブズ |
| 脚本 | ジョス・ウィードン、アンドリュー・スタントン、ジョエル・コーエン、アレック・ソコロウ、ジョー・ランフト |
| 原案 | ピート・ドクター、ジョン・ラセター、ジョー・ランフト、アンドリュー・スタントン |
| アートディレクター | ラルフ・エッグルストン |
| 音楽 | ランディ・ニューマン |
| 制作会社 | ピクサー・アニメーション・スタジオ |
| 製作年 | 1995年 |
登場キャラクター
登場キャラクター名とキャラクター紹介、日本語吹替版声優は下記の通りです。
| キャラクター名 | キャラクター紹介 | 日本語声優 |
| ウッディ(ウッディ・プライド) | アンディのお気に入りのおもちゃで、おもちゃたちのリーダー的存在。背中の紐を引くと声が出る、保安官のカウボーイ人形。 | 唐沢寿明 |
| バズ・ライトイヤー | アンディの誕生日にやってきた最新型のアクションフィギュア。レーザー光線や飛び出す翼など、さまざまな機能を備えている。 | 所ジョージ |
| アンディ | ウッディたちの持ち主である男の子。おもちゃで遊ぶことが大好き。 | 市村浩佑 |
| ミスター・ポテトヘッド | ジャガイモの形をしたおもちゃ。目や耳、口などのパーツを自由に取り外せる。皮肉屋な一面もある。 | 名古屋章 |
| スリンキー・ドッグ | ダックスフンドの形をしたおもちゃ。胴体部分がバネになっており、ウッディとは仲が良い。 | 永井一郎 |
| レックス | ティラノサウルスのプラスチック製のおもちゃ。見た目は強そうだが、実は臆病で優しい性格。 | 三ツ矢雄二 |
| ハム | ブタの形をした貯金箱のおもちゃ。おしゃべりで、少し自信家な一面もある。 | 大塚周夫 |
| ボー・ピープ | 羊飼いの少女をモチーフにした磁器製の人形。ウッディが思いを寄せている。 | 戸田恵子 |
| シド・フィリップス | アンディの隣に住む少年。おもちゃを壊したり、改造したりすることを好む。 | 堀裕晶 |
| エイリアン(リトル・グリーン・メン) | ピザ・プラネットのクレーンゲームの景品。三つ目のエイリアンのおもちゃ。 | 落合弘治、桜井敏治ほか |
| グリーン・アーミーメン | 緑色の兵隊のおもちゃ。軍曹の指揮のもと、規律正しく行動する。アンディの誕生日には、プレゼントの中身を偵察する作戦で活躍した。 | 谷口節 |
| ハンナ・フィリップス | シドの妹。人形遊びが好きで、兄のおもちゃにも興味を持っている。 | 笠原清美 |
| スカッド | シドの家で飼われている犬。ウッディたちにとっては恐ろしい存在。 | (セリフなし) |
映画【トイ・ストーリー】のあらすじ(ネタバレなし)

アンディのお気に入りのおもちゃは、カウボーイ人形のウッディ。
おもちゃたちのリーダー的存在でもあるウッディは、アンディや仲間たちと楽しい日々を過ごしていました。
ところが、アンディの誕生日に新しいおもちゃがやってきます。
それは、最新型のアクションフィギュア「バズ・ライトイヤー」。
レーザー光線や飛び出す翼など、さまざまな機能を備えたバズは、たちまちアンディのお気に入りになってしまいます。
自分の居場所を奪われたように感じたウッディは、バズに対して複雑な気持ちを抱くように。
そんな中、ある出来事をきっかけに、ウッディとバズはアンディのもとを離れてしまいます。
果たして、ウッディとバズは無事にアンディのもとへ戻ることができるのでしょうか?
おもちゃたちが繰り広げる、笑いあり、冒険ありの物語です。
ヴィランズ好きが考えるシドという存在
ここからは映画の結末や重要なシーンに触れながら、シドというキャラクターについて考察していきます。
ネタバレを含みますので、未鑑賞の方はご注意ください!
シドは本当に悪役なのか
まず考えておきたいのが、シドはまだ子供だということ。
ウッディやバズたちにとっては恐ろしい存在ですが、シド自身はまだ遊び盛りの少年です。
おもちゃを分解したり、別のおもちゃと組み合わせて改造したりと、かなり独特な遊び方をしています。
もちろん、おもちゃたちの立場からすれば、とんでもないことをしているわけですが……。
ここで私が少し気になったのが、シドの遊び方です。
バズをロケットに取り付けて打ち上げようとするシーンでは、突然の悪天候に見舞われ、シドは思わず残念そうな声を上げます。
ところが、その直後には博士のような口調に切り替わり、打ち上げを翌朝に延期することを告げるのです。
この場面、シドが急に実験を行う博士になりきっているようで、なんだか印象に残りました。
もしかすると、シドにとっておもちゃの分解や改造は、単なるいたずらではなく、自分なりの世界を作り上げて楽しむ、ごっこ遊びのようなものなのかもしれません。
シドがどんな家庭環境で育ち、普段どんな遊びをしているのかは分かりません。
私たちが思い浮かべるような王道のごっこ遊びとは、少し違う形で楽しんでいるだけなのかも。
もちろん、だからといってシドの行動に問題がないわけではありません。
おもちゃたちが怖い思いをしているのも事実です。
ただ、こうして見てみると、シドは誰かを苦しめること自体を楽しむ悪役というより、自分の遊びに夢中になっているだけの、ただの子供にも見えてくるんですよね。
【トイ・ストーリー】のシドがかわいそうに思える理由
シドのことを考えていると、なんだか少しかわいそうにも思えてきます。
ウッディたちにとっては、シドの家から無事に脱出できてめでたしめでたし!という展開なのですが、
シドの立場になって考えてみると、ちょっと複雑です。
だって、今まで普通のおもちゃだと思って遊んでいたものが、突然自分の意思で動き出すんですよ?
しかも、ただ動くだけではありません。
自分が改造したおもちゃたちが目の前に現れ、シドに向かってくるのです。
もちろん、ウッディたちは自分たちを守るために行動したわけですが、
シドからすれば、これまで当たり前だと思っていた世界のルールが突然ひっくり返ってしまったようなもの。
《おもちゃは動かない》
それが絶対の常識だったはずなのに、その常識を覆す現実を突きつけられてしまうのです。
子供のシドにとって、これはかなり衝撃的な出来事だったんじゃないでしょうか。
それに、シドの家庭環境もちょっと気になるところ。
ウッディとバズがシドの家から脱出しようとしているとき、2階の部屋でお父さんらしき人物が登場します。
テレビをつけっぱなしにしたまま、お菓子を食べながら寝ているんですよね。
……いや、昼間からこの状態なの?
もちろん、この短い場面だけでシドの家庭環境を決めつけることはできません。
シドが普段どんな環境で過ごしているのか、親からどんなふうに接してもらっているのかは、映画ではほとんど描かれていません。
ただもしかすると、シドのおもちゃに対する接し方の原因は、シド自身の性格だけが原因なのではなく、育ってきた環境も何かしら関係しているのかもしれません。
そう考えると、シドは単純に悪い子として片付けられる存在ではないように思えてきます。
おもちゃたちにとっては無事に危機を乗り越えたハッピーエンド。
でも、シドにとっては、自分の常識を覆される恐怖を味わった出来事だったわけです。
そう考えると、ちょっとシドが気の毒になってしまうんですよね。
大人になったシドの姿にほっこり
実はシド、【トイ・ストーリー3】にも少しだけ登場しているんです!
なんと、ゴミ収集車の作業員として働いているんですよ。
1作目では、ウッディやバズたちを恐怖に陥れた、あのシドです。
まさか大人になって、こんな形で再登場するとは思いませんでした。
しかも、ちゃんと働いているじゃないですか!
もちろん、ほんの一瞬の登場なので、その後どんな人生を送っているのかまでは分かりません。
でも、かつてのシドを知っていると、なんだか感慨深いものがあります。
子供の頃はおもちゃを分解して遊んでいたシドも、すっかり大人になったんですね。
こうして振り返ってみると、シドは単純な悪役として片付けられない、ちょっと不思議なキャラクターだったように思います。
ヴィランズ好きとしては、もう少しシドのその後も見てみたかったな!
映画【トイ・ストーリー】を観た感想・レビューまとめ
今回は、ヴィランズ好きの視点から【トイ・ストーリー】に登場するシドについて考察してみました。
おもちゃたちを怖がらせ、分解や改造を繰り返すシド。
物語の中ではウッディやバズたちの敵として描かれていますが、
改めて振り返ってみると、まだ子供であるシドの行動には、単純に悪役とは言い切れない部分もあるように感じます。
自分なりのごっこ遊びを楽しんでいるように見える場面や、おもちゃが動くという現実を突きつけられてしまう結末。
そして、シリーズ3作目で大人になった姿を見せてくれたこと。
こうして考えてみると、シドもなかなか奥の深いキャラクターですよね。
もちろん、おもちゃたちにとっては恐ろしい存在だったことに変わりありません。
それでも、シド自身の立場から物語を見てみると、少し同情したくなるような気持ちも湧いてきます。
ディズニーのヴィランズが大好きな私ですが、シドはその中でもちょっと特殊な存在かもしれません。
久しぶりに【トイ・ストーリー】を観る機会があれば、ぜひウッディやバズだけでなく、シドにも注目してみてくださいね!
最後まで読んでいただきありがとうございました。

