【三匹の子ぶた】のストーリーはご存知ですか?
ディズニーアニメーション以外にも、さまざまな絵本などになっているので
おおまかなストーリーをご存知の方は多いと思います。
でも、ただあらすじを知っているだけなんて本当にもったいない!
ディズニー作品の【三匹の子ぶた】にはアニメーターの遊び心があちこちに散りばめられています。
また、原作と異なる点も多数あるので、今回の記事では原作との違いについても注目してお伝えしていきます。
三匹の子ぶた 作品情報・キャラクター紹介
【三匹の子ぶた】はもともとイギリス発祥のおとぎ話です。
18世紀後半からいろいろな形で記録された民話だそうですが、
それをもとにディズニーが1933年にアニメーション化しました。

シリー・シンフォニーのシリーズとして制作された【三匹の子ぶた】は当時かなり人気となり、
続編(赤ずきんちゃん・オオカミは笑う)も制作されました。
作品情報
| 制作 | ウォルト・ディズニー |
| 公開日 | アメリカ:1933年5月27日 |
| 監督 | バート・ジレット |
| 脚本 | テッド・シアーズ |
| 音楽 | カール・スターリング フランク・チャーチル |
登場キャラクター
| キャラクター名 | キャラクター紹介 | 日本語声優 |
| ファイファー・ピッグ | 三匹の子ぶたの長男。藁の家を作った。笛を吹くのが趣味。 | 中谷佐知子 |
| フィドラー・ピッグ | 三匹の子ぶたの次男。木の家を作った。バイオリンを弾くのが趣味。 | 井上美哉子 |
| プラクティカル・ピッグ | 三匹の子ぶたの三男で一番のしっかり者。レンガの家を作った。ピアノを弾くのが趣味。 | 伊藤友美 |
| ビッグ・バッド・ウルフ | 三匹の子ぶたを狙うオオカミ。桁外れの肺活量の持ち主であり、変装が得意。 | 中博史 |
三匹の子ぶた ディズニー作品と原作の違い
ここからは、ディズニー作品の【三匹の子ぶた】と、原作との違いをお伝えしていきます。
大まかな流れは同じですが、事の顛末はかなり異なるものとなっているので、なかなか興味深いですよ!
ディズニー版のストーリー
言わずと知れた物語ですが、この後原作との違いを紹介するので、
ディズニー版【三匹の子ぶた】のストーリーを割としっかりめにお伝えしていきます。
※ストーリーが分かっている方は、次節「ディズニー作品と原作の違い 一覧表」にお進みください。
ストーリーは、三匹の子ぶたが、それぞれの家を作るところから始まります。
長男のファイファーは、藁の家を。
次男のフィドラーは、木の家を。
そしてしっかり者の三男プラクティカルは、レンガの家を作りました。
ファイファーとフィドラーはそれぞれ藁、木の枝をただ積み重ねただけの簡単な作りで仕上げます。
そしてさっさと作り終わると、ファイファーは笛を吹き、フィドラーはバイオリンを弾いて遊んでばかり。
対してプラクティカルはレンガでしっかりした頑丈な家を建てているので、時間がかかっています。
それを見て2人の兄達は嘲笑うように、ただただ音楽で遊んでいました。
そこへウルフが登場。
まずはファイファーを追いかけます。
ファイファーは藁の家に逃げ込みますが、ウルフに吹き飛ばされて家はバラバラに。
ファイファーはフィドラーの木の家に逃げ込みます。
しかしウルフは木の家も吹き飛ばし、ファイファーとフィドラーはプラクティカルのレンガの家に逃げ込みます。
ウルフはこれまでと同じようにレンガの家を吹き飛ばそうとしますが、びくともしません。
そこで家の煙突から侵入を試みますが、煙突の下ではぐつぐつと煮えたぎった大鍋が。
プラクティカルの機転により、ウルフは大火傷をしてしいまい、泣きながら逃げてしまうのです。
最後は3兄弟共に食べられずに済み、めでたしめでたし、という結末となります。
ディズニー作品と原作の違い 一覧表
ディズニー版のストーリーをおおまかにお伝えしたところで、
ここからは、ディズニー作品と原作の違いを解説していきます。
まずは、ディズニー作品と原作との違いを一覧表にまとめましたので、こちらをご覧ください。
| 項目 | ディズニー版(1933年) | 原作 |
| 家を建てるきっかけ | 特になし | 母ぶたが3匹を養う余裕がなかったため、子ぶた達を独立させた。 |
| 子ぶたの名前 | ファイファー、フィドラー、プラクティカルと3匹共名前がある。 | 名前はなし。 |
| 1匹目の子ぶたの結末 | 最初は次男(木の家)に逃げこみ助かる。その後、次男と共に三男(レンガの家)に逃げ込み助かる。 | オオカミに藁の家を吹き飛ばされ、食べられてしまう。 |
| 2匹目の子ぶたの結末 | 長男と共に、三男(レンガの家)に逃げ込み、助かる。 | オオカミに木の家を吹き飛ばされ、食べられてしまう。 |
| 3匹目の子ぶたの結末 | 2人の兄を自分の家(レンガの家)に入れて、オオカミを追い払う。 | オオカミと知恵比べで対抗し、最後はオオカミを食べてしまう。 |
| オオカミの結末 | レンガの家を吹き飛ばせないので煙突から侵入するも、大鍋の熱湯で大火傷をして泣きながら逃げる。 | レンガの家を吹き飛ばせないので煙突から侵入するも、大鍋に落ちてそのままスープにされ、三男に食べられてしまう。 |
原作はシビアな流れといいますか、けっこう残酷です。
最終的に生き残るのは三男のプラクティカルだけ。
それに対してディズニー作品は、登場人物誰も死なずにハッピーエンドを迎えます。
三匹の子ぶたが家を建てたきっかけ
原作では、母ぶたの家が貧しくて子供達を養えなくなり、子ぶた達を独立させたというきっかけがあるそうです。
このストーリーはジョセフ・ジェイコブズ編(1890年)の物語にこのような記述があるらしいのですが、
原作にもいくつかバージョンがあるそうで、諸説あるみたいです。
(一番有名な原作として知られているのがジョセフ・ジェイコブズ編だそうです。)
一方、ディズニー版では子ぶた達がそれぞれ家を建てている場面からストーリーが始まります。
母ぶたに育てられた描写や、家を独立するような描写はありません。
ディズニー版では、子ぶた達の背景を描写するよりも、性格や行動の違いをはっきりさせることが主眼だったのかもしれません。
名前に関しても、原作は3兄弟に名前はありませんが、ディズニー版ではそれぞれ名前が付けられています。
また、三匹が得意とする楽器や性格などを表現していることからも、ディズニー版は個性をより強調した作りとなっています。
三匹の子ぶたの名前について
原作では子ぶたに名前はつけられていませんが、ディズニー版ではそれぞれ名前が付けられています。
名前についても三匹の個性がしっかりと反映されています。
【長男=ファイファー】
ファイファーとは「笛を吹く人」という意味です。
英語で横笛奏者のことを「fifer」といいます。
笛が得意なところをそのまま表している名前になっています。

【次男=フィドラー】
フィドラーとは「バイオリンを弾く人」という意味です。
英語でバイオリン奏者のことを「fiddler」といいます。
(フィドル奏者とも言います。)
バイオリンが得意なところをそのまま表している名前になっています。

【三男=プラクティカル】
プラクティカルとは「現実的な」「理性的でしっかり者」という意味です。
英語では「practical」と書きます。
現実的に丈夫なレンガの家を建て、頭を働かせて2人の兄達を守るところを表している名前になっています。

三匹の子ぶたの名前は、そのまま彼らの個性を表現しているんですね。
三匹の子ぶたの末路
原作では、かなり残酷なことに長男と次男はオオカミに食べられてしまいます。
自然の摂理というか、生きていくことの厳しさというか、ものすごく現実的な描写と言えます。
最終的には三男がオオカミを退治して、さらにオオカミの肉を食べてしまうんです。
かなり残酷な結末ですよね。
ところがディズニー版では、オオカミに襲われるものの、最終的にはレンガの家に逃げ込み助かります。
みんな死なずにハッピーエンド!
問題のオオカミはというと、大火傷をするだけで泣いて逃げていくという終わり方。
ディズニー作品っぽい平和な結末になっています。
劇中に登場する曲も「狼なんかこわくない」という有名な曲で、
オオカミを怖がらない子ぶた達が楽しそうに楽器を演奏して歌っている様子が多く描かれています。
そんな歌を歌っているのに、実際ウルフに出くわすと一目散に逃げ回る子ぶた達の様子は、コミカルでクスッと笑ってしまいます。
ディズニー版オオカミ(ビッグ・バッド・ウルフ)の魅力
【三匹の子ぶた】のヴィラン「ビッグ・バッド・ウルフ」(以下ウルフ)が最高に魅力的なんです。
原作では残酷にも子ぶたを二匹食べてしまい、しまいには自分も三男に食べられてしまうという悲しい結末を迎えますが、
ディズニー版ではラッキーなことに、お尻を大火傷するという罰を受けて終わります。
しかも、このあと続編にも度々登場するという、昇進っぷり。
ディズニー版のおかげでウルフさん日の目を見ることになります。

ウルフの昇進はこれだけにとどまらず、ディズニーハロウィーンのパレードに登場したり、
トゥーンタウンに会社があったり(現在はリタイアしていますが)、
映画関連のお仕事(風を発生させる特殊効果係)をして働いたりなどしているんです。
(あくまでもディズニー上のバックストーリーですが)
【三匹の子ぶた】の中のウルフも、とってもチャーミング。
初登場シーンでは黒いシルクハットを被り、ボロボロのズボンに緑色のサスペンダーをつけた姿で現れます。
そして手には緑色の大きなドット模様がついたバッグを持っています。
けっこうオシャレさんですよね。
バッグを持って登場するオオカミなんて、そうそういないですよ。
もうこれだけで可愛い!
あのバッグの中には、変装道具がわんさか入っているんでしょうね。
どうしたら相手を騙せるのかを考えてバッグに変装道具を仕込んでいるウルフの姿を妄想すると、ニヤけてしまいます。
バッグを手にしながら、抜き足差し足で木に隠れながら歩み寄る様子は非常にコミカルで、
ヴィランなのに全然怖くない。
(子ぶた達にとっては脅威なんでしょうけどね)
ウルフの肺活量がまた半端ない。
いくら藁や木の家だと言えども、たった一吹きで家丸ごと吹き飛ばしてしまうんですから。
ただ最後のレンガの家は、いくらなんでも無理でした。
真っ青というか紫というか、顔色がとんでもない色にまでなっていましたが、さすがにレンガは頑丈でしたね。
ヴィランズ好きとしては、レンガの家も吹き飛んじゃえば面白いのにと、悪い想像をしてしまいますが。
ウルフが得意なことは、人間離れ(オオカミ離れ)の肺活量と、さっき触れましたが変装です。
作中でも羊になったり、筆売り商人になったりと、変幻自在に姿を変えます。
変装した姿はもちろん可愛いんですけど、変装する前にちょっとだけ斜に構えて考える姿がまた魅力的!
「俺ものすごくいい事思いついたー!」って、おめめパチクリさせてひらめいた顔がなんとも言えないんです。
で、そのひらめきも結局は上手くいかないんですよね。
そこもまたチャーミング。
ずる賢く見えてちょっと間抜けで、ドジっ子なんです。
オオカミなのに子ぶたちゃん達に負けちゃうなんて、ほんとに憎めないヴィランです。
アニメーターの遊び心
原作がかなり残酷な作りになっているとお伝えしましたが、その名残といえるような描写が作中にいくつか出てきます。
三匹の子ぶたのそれぞれの家に絵画が飾ってあるのですが、プラクティカルの家に飾ってある絵画がブラックユーモア満載なんです。
まず「FATHER」というタイトルの絵画。
ソーセージの絵が描かれています。
きっとお父ちゃん、ソーセージに加工されてしまったんでしょうね。
別のシーンでは同じく「FATHER」というタイトルでお肉の絵が描かれています。
おそらくいろんな豚肉製品に加工されてしまったのでしょう…。
次に「MOTHER」というタイトルの絵画。
母ぶたが横になり、お乳を子ぶた達にあげている絵画が描かれており、
一見こちらは普通の絵のように思えますが、実はこの中にも恐ろしさが隠れているんです。
そう、子ぶたの数が7匹なんです。
もしかしたら三匹の子ぶたは、7匹兄弟だったのかもしれません。
兄弟達、どうなったんでしょうか?
あまり想像したくないですね。
最後に「UNCLE」というタイトルの絵画。
こちらにはアメフトボールの絵が描かれています。
おじさんも加工されてしまったようです。
このように、プラクティカルの家にはブラックユーモアのある絵画が飾られています。
三男のプラクティカルはしっかり者なので、家族のそのような不幸を肝に銘じて忘れないように飾っているのかもしれません。
ちなみに長男ファイファーの家には、フラダンスをしているブタの絵が、
次男フィドラーの家にはボクシングをするブタの絵が飾られています。
三男とはまったく対照的ですね。
三匹の子ぶた まとめ
今回は、【三匹の子ぶた】について映画情報やキャラクター紹介、原作との違いやウルフの魅力についてお伝えしました。
ディズニー版では、三匹の子ぶたの個性が強調され、悪役のウルフがコミカルに描かれています。
昔から絵本などで多くの人に知られている物語ですが、
大人になって改めて見返すと、いろいろな発見があって非常に楽しいです。
作品自体は9分ほどのかなり短い作品なので、隙間時間に鑑賞するのもおすすめです。
ぜひ、大人になってからの【三匹の子ぶた】を楽しんでみてはいかがでしょうか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

